A girl of scarlet hood


(1)
森の中 一人歩く影
道端で摘み束ねた花を手に
真紅の頭巾 手縫いの服を
身に纏い 小走りではしりぬける

潜むのは飢えた獣
巧みな言葉を操り
黒い瞳に捉えた 獲物は決して逃さない 
狙うのは真紅の少女 
行く末を見守るのは虚偽の姿

忍び寄る闇 ああ 陽が堕ちていくわ
早く花束届け家に帰らなくちゃ
潜む悪意の種は蒔いてあるから
罠にかかるのを静かに待ち
無防備なその身を喰らう

空が赤く染まる頃 全ては満たされいるだろうか

(2)
森の中一人歩く影
どこからか人の声がしているわ
「気をつけなさい 見えてるものは
真実だとは限らないのだから」

忍び寄る闇 ああ 不穏な風だわ
早く花束届け 家に帰らなくちゃ
潜む悪意の種は花咲かせて
罠にかかる少女の姿
笑顔が恐怖に満ちていく

真紅の頭巾が染まってそのまま
目的に手段選ばずに欲望のまま
狡猾さの果て 未熟な果実さえ
抵抗する時間与えずに
残さず喰らい尽くした

月 紅く染まる頃全ては満たされいるだろうか